7年付き合った男に婚約破棄された女がバク転してるポメラニアンと出会って気づいたらSnow Manの沼に引きづりこまれてた話
ある男と高校1年生の時に付き合い始めて、今年で7年経った。
誰にでも優しくていつも笑顔で、そんな人とお付き合いしている自分のことをとても誇らしく思っていた。そんな彼とシンガポールへ旅行に行き、夜景の見えるホテルでプロポーズされた、私の手を握りながら、結婚しようねって。
まあ、そこの宿泊代私が払ったんですけど。シンガポールのマリーナベイサンズ、めちゃくちゃ高い。航空券も、滞在中の食事も全額私持ち、なんなら今までのデート代も全部私が払った。もちろんプロポーズされたときは指輪なんてなくて。
でも、そのときはまだ自分がバカなことをしているって気づけていなくて。学生時代からずっと付き合っている人にプロポーズされる自分って勝ち組じゃん！とまで思ってた。人生最大の汚点。
当然プロポーズされたあと、待っても待っても入籍の話なんてなくて、もしかして私って金づる？って徐々に気づき始めた。貢がせ続けるためにとりあえず結婚しようって言っただけ？って。こんだけお金払わせてるってことは、彼は優しい素敵な人じゃないの？って。
そんな疑念を抱きながら、気づけばプロポーズされてから半年も経っていて、その間も2週間に1回会って、遊びに行って、彼が欲しいもの買ってあげて。けど、私の話をいっぱい聞いてくれるし、ずっと楽しそうに笑ってくれるし、別れようとは1mmも思わなかった。結婚してくれるって信じていた。
でもね、やっぱり間違ってた。
梅田のHEPの前で、前の週に私が買ってあげた服着て、女の子と手つないで歩いているのを見ちゃった。
は？ふざけんなよ。せめて自分で買った服着ろや。
私と遊ぶときはお金払わせて、その女にはかっこつけておごってあげてるのか。それとも、私がそもそも浮気相手だったのか？やっぱり結婚しようなんて口だけ。ただの財布だって薄々気づいてたのに、それでも彼に自分のことを見てほしいって必死にすがり続けてたんだなって、急に現実を突きつけられて、本当に気が狂いそうだった。
気づいたらひたすら2人の写真を撮ってた（怖い）。そして、彼のLINEに送りつけた。
私といると楽しいって思ってほしくてずっと頑張って、たくさん貢いで、黒髪ロングが好きだと言ったあの日からずっと髪も伸ばし続けて。なんでこいつに必死だったんだろうって本当にバカな自分に腹が立ってきて。その場では彼に声をかけずに家に帰った。
LINEを送って数時間後、彼からきたのは「別れよう」って文字。なんでこっちがふられなあかんねん。私にふる権利があるやろう。てかLINEで言わんと直接言え。言い訳もごめんなさいもないんか？もう怒ってるとか通り越して、ひたすら脳内でツッコんでた。
お金を返してもらわないと。その一心ですぐさま彼の家へ向かった。チャイムを押し、いつも通りのへらへらした顔で出てきた彼に今までのデート代はいいから、せめてシンガポールの旅行代と貸してたお金、合わせて40万は返せ、それさえ返してもらえれば今後一切関らないと伝えた。
そしたらものすごい顔で睨まれ、無言で財布を持ってコンビニへ。ATMでお金をおろして、封筒にも入れずそのまま「はい」って渡されたのは、たった5万円。
「はい」？
7年間も付き合ってたよね？プロポーズもしてきたよね？40万返せっていったよね？言いたいことはいっぱいあるんだけど、目の前の状況にあっけにとられて言葉が出てこなくて、彼が持っている諭吉5枚をただただ眺めていた。すると彼が、
「これ全財産、てかお金払い続けたのはそっちの勝手なんやから5万渡すだけでも偉くない？」
もうこの人は随分と前から私のことを彼女として見てなかったんだな。これ以上会話しても私の言葉は届かないんだろうな。もしかしたらきちんと謝ってくれるんじゃないかと少しだけ、ほんの少しだけ期待していた自分が本当に恥ずかしかった。私はその紙切れ5枚を受け取って自分のカバンにぶちこみ、何も発しず彼の元を去った。
7年間なにしてたんだろう。
帰りの電車の中で、総額いくら払ったっけって計算してみたり、一番ひどかったことってなんだっけって考えてたら涙が止まらなくて、周りに白い目で見られながら帰宅した。自宅に着き、時計を見ると23時。そのままベットにダイブし、最悪な1日だったなと思いながら、泣き疲れた私は気づけば眠りについていた。
謎の叫び声で飛び起きると、目の前にはちょっと酔っぱらた我が妹。酒くせえな思いながら、泣きすぎてパンパンになった目で睨みつけると、
「これ最近好きになったジャニーズ！姉絶対好きやから見てみて！！！」
とスマホを渡してきた（妹は私のことを姉と呼ぶ）。いや、突然すぎるし、もう1時だし、そして落ち込んでいるのを察してくれ。私はとても憔悴しているんだ。
見せてきたのは、Snow Man 『D.D.』のMV。今度見ると言うと、「今見んかったら風呂入らん！」という謎の主張を繰り返しながら床で暴れまわるので、仕方ない、見てあげるかと再生ポチッ。さあ、ここから沼の始まり。
はい、イケメンイケメン。曲は確かに好きな感じだな。
..........
え、ポメラニアン？
待って、待って
今のなに？バク転したポメラニアンが画面から飛び出してきた？
一時停止し、巻き戻して再生。......やっぱりポメラニアンだ。上の動画の00:30あたり。これを口に出して言ってたので、この時はフラれたショックで本当に脳の機能がおかしくなってたんだと思う。みんなゴリゴリ踊ってる......かっこいい。
「さっくんか～！姉はひかるかめめやと思ったんやけどな～」
さっくん.... このポメラニアン、さっくんって言うんか。さっくん。
「かっこいいやろ～！正月にしゃべくり出てたん覚えてない？」
....覚えてる。ラグビーの稲垣選手見たさにテレビつけてたら、顔のいい細い男たちが大量に出てきて怖い怖いって怯えていた記憶がある。でも私の頭の中には、美容クリニックはしごして顔面に洗濯ばさみつけてる人しかいない。
「さっくん好きなら次はこれ見て！」
さっくんを思い出す暇を与えてもらえず、次に出てきたのは Party!Party!Party!の定点ダンス動画。
D.D.を見せた後の食いつき方によってそのあと見せる動画も変わってくるみたい。目が足りなくなるからとりあえずさっくんだけを集中して見てとのアドバイスをもらい、いざ視聴。
......なんだこりゃ。見ていて楽しくて、次はどんな表情をするんだろうってワクワクしてきて、気づけば3分経ってた。無駄がないんだけどシンプルな動きってわけじゃなくて... 自分がどうしたら美しく見えるか完璧に計算されているようで... ダンス経験ゼロ、語彙力ゼロなので言葉でどう表現したらいいのかわからない。ブログ書いてるくせにごめんなさい、動画見てください。お分かりの通り、私はたった3分でさっくんのダンスにすっかり魅了されてた。
興奮冷めやらないまま、全員を見るために2回目に突入する。
う、かっこいい...... ダンスが上手な人って世の中にたくさんいるんだろうけど、6人それぞれのダンスに特徴があって、なんだか性格までわかってしまいそうだなと思ってしまって。とにかく見入ってしまった。自分が踊っているわけでもないのに、面白い、楽しいって感情が出てきてびっくりした。ジャニーズって軽くステップを踏みながら歌うくらいのイメージしかなかったから、ゴリゴリに踊っている彼らはとにかくかっこよかった。カッコつけてるんだけどスカしてないのがはっきり感じ取れて、みんなダンス好きなんだろうなっていうのが伝わってきて... てか、ハロプロいた？
「9人のダンス動画もあとで見せるけど、とりあえず沼に引きづりこみたいからとどめはこれや！！！！！！！！」
最後に妹が必殺技かのように自信満々に繰り出してきたのは、かの有名な人狼回(服装カラフルver)。
え......
ええええええええええめっちゃ面白い。なんだこの人たち、本当にさっきまでゴリゴリ踊っていた人たちと同一人物なのか？
9人もいてなんでスムーズに笑いが生まれるのだろうか。この団体芸恐ろしくない？芸人さん泣かせ。
アイドルグループってまだまだ血気盛んな若い時に、大人たちによって勝手にメンバーを決められてるわけだから、仲良くなくて当然だと思ってた。だけど彼らはこのメンバーでいることを本当に楽しいと思っていそうで、みんな同じ考えだったわけじゃないんだけど、ちゃんと話し合って同じ方向を見ようとしているのかななんて。嫌々バラエティ企画をやらされているように感じなかった。このメンバーでアイドルをしていることを誇りに思っているようにも感じた。すべて憶測でしかないんだけど、そう思ってしまった。
妹にメンバーを紹介してもらいながら見ていたのだが、9人すぐ名前を覚えられたし、あとなぜかメンバーカラーがとてつもなくしっくりきた。彼らの持つオーラがメンバーカラーそのもので、ポメラニアンこと佐久間大介さんのメンカラがピンクで、名前に『咲く』って音が入っているのが天才だと思った。
この人たち面白いな素敵だなと思って見ていたのに、気づけば泣いていた。顔のいい男たちがキャッキャッはしゃいでる動画を見て泣くなんて思ってもいなかった。妹は「わかる、わかる。可愛いすぎて涙でてくるやろ。」なんて言ってた。なんだかわからなかったけど、泣いたらすっきりした。
この人たちのこともっと知りたいと思い、Youtubeを見漁り、ネットを彷徨い続け、気づけば朝だった。隣で妹は爆睡していた。
パフォーマンス動画は、東京ガールズコレクションでのスペシャルライブが最高に輝いていて大好き。王子様というより王国を守る騎士団として戦っている感じ。よくわかんないけど。とにかくSnow Manには大きいステージがよく似合う。この時まだジャニーズJrだったっていう事実が恐ろしい。
とりあえずシャワーだけ浴びて、泣きはらした最高に不細工な顔で出社した。Snow Manのおかげで、遅刻せずに済んだ。それと、くそ男にフラれて悔しかったことなんてすっかり忘れていて、頭の中はSnow Manのことでいっぱいになっていた。
妹よ、酔っぱらって帰ってきてくれてありがとう。
そして、Snow Man。
くそ男にフラれたかわいそうな女として生きてかなきゃいけないんだって思ってた私に、素敵な表情をたくさん見せてくれてありがとう。楽しそうに踊って歌ってる姿はとてもキラキラしていて、全力でバラエティしている姿はとにかく眩しい。そう、彼らは『アイドル』って言葉が本当に似合う。
Snow Manのオタクとしての人生が始まった。たぶん佐久間担なのかな、みんな大好きだけど。FCにも入ったし、デビューライブは、9公演すべて目に焼き付けることができた。
彼らの好きなところもっとたくさんあるし、9人それぞれへの沼落ちタイミングも鮮明に覚えているんだけど、纏まらないからまた別に書いていきたい。とにかく話すなり書くなりして発散しないと、好きすぎて爆発してしまう。
そういえば、伸ばしてた髪をバッサリ切って、ポメラニアン佐久間さんと同じことりベージュに染めた。最高に可愛いくなってしまった。オタクって楽しいな。
長々と私の拙い文を読んでくれてありがとう。
